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日本の静脈
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これが日本列島の体に流れる水の脈
日本列島全体図(109k)
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利根川の流れ Photo 高井正彦 +
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テクニック&ポイント
0.1ミリぐらいの細いペンで、川の線だけをトレースする。本流や川下の線は太いペンを使い、適当な太さになるまで何回も線を重ねていく。ペンを握るとき、力は入れるがおさえは軽くして、流れる川の水の気持ちになって動かすと、なめらかな線に仕上がる。

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たっぷりあるようで、たっぷりない
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日本は水の国。日本列島を流れる川筋だけを写し取ってみると、まるで肉体をささえる骨か、あるいは静脈のように川が流れている。まさに水の国、日本。さて、日本最大の流域面積をもつのは群馬県北部から流れ出す利根川。丹後山(1809メートル)を源流とし、渡良瀬川、鬼怒川など大小の支流を集めながら関東平野をうるおし、太平洋へとそそぐ。この川は傾斜が急で治水がむずかしく、昔から洪水に悩まされてきた。本格的な治水工事は明治時代にはじまったが、川をよりどころに、古くから農業、漁業などの産業が発展してきた。

「ぼくが子どものころ、故郷の川はまだまだきれいでした。しじみやメダカを採ったり、泳いだり、夢中になって遊んでいましたよ。母親たちは野菜を洗ったり洗濯をしたりして、毎日の生活に欠かせない存在でした。その川がいまではすっかり汚れてしまった。流れ込む生活排水や工業排水が、川自身の浄化能力をはるかに超えてしまっているんです。
ぼくはインドネシアが好きで時々出かけて行きますが、10年ほど前初めて行ったときの光景が忘れられません。朝、川の中に点々と人がいるんです。何だろうと思って聞いてみると、それは出勤前の排便風景。現地の人は、3メートルも流れればきれいになるよ、と笑っていました。魚が食べてくれるそうです。

川の流れる量と、汚れの量のバランスがとれていれば、川はいつまでもきれいでいられるはず、です。ちなみに日本最大の利根川とアマゾン川を流域面積で比較して見ると、小指のつめと、広げた手のひらほどの差があります。
ぼくたちは、豊かな生活と引き換えに川の環境汚染を致命的なものにしてしまった、と思っています。生活にかけがえのない川を、もっと大事にしたいですね」
構成 三代川律子[フリーライター]


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