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景色も楽しめるスキー場地図
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テクニック&ポイント
イラストレーターの須貝稔さんは、「見えないものも、見えているように描くんですよ」という。雪山は、ゲレンデをすべて入れることを目的に多少アレンジして、色鉛筆で丹念に描く。陰影もつける。だが、周囲の道路や駅、駐車場、そしてゲレンデなどの情報は、正確でなければならない。濃い青空は、エアブラシを使い、冬山が晴れた日を思い浮かべながら仕上げていくそうだ。

測量地図と航空写真でパノラマにする
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森下さんが描くスキー場マップは、まるで夢の中で空を飛んでいるときのような快感なのだ。鳥になる、というのはきっとこんな感じなのだろう。森下さん自身は、大のスキー好き。小学1年生のころから桜の木でできた板スキーを操って、自宅の裏山斜面30メートルコースを滑走していた。

スキー場へ行く楽しみって、3つあると思うんです。1つは、もちろん滑る醍醐味。スキーのスピード感は、最高です。それから2つ目は、雪景色を愛でる楽しさ。きれいですね、晴れた日の冬山は。とくに2月頃、抜けるような青空と白い雪のコントラストが絶妙。滅多にお目にかかれない風景ですけれど。あとは、アフタースキーかな。温泉に入ったり、食事をしたり、ホテルの中でゲームをしたりするのも、案外スキーへ行く楽しみだったりするんですね。
ぼくはこのスキー場マップをつくるとき、きれいな雪景色も一緒に味わってもらいたいなと思っています。たとえ行ったことのないスキー場でも、風景が見えてくるようなら、イメージがぐーんと膨らんでくるでしょう? 地図をみているだけでもワクワクできるなんて、これは、ビフォースキーの楽しみ、とでもいえるかな?

ヨーロッパを旅行したときに、ドイツの本屋で絵地図を買ったことがありました。もう20年以上も前のことですが、それが、パノラマ図製作にかけては世界最高の人といわれた画家、H.C.ベランの地図だったんです。ぼくのスキー場マップは、ベランのパノラマ図を参考にしています。
ベランは、ヘリコプターや飛行機から実際に山を眺めてから絵を描いたそうですが、こちらはそうもいかないので、イラストレーターの須貝稔さんに頼んで、5万分の1の測量地図と航空写真を参考にして冬山を描いてもらっています。広い山の景観を、どのようにして1枚の絵の中で表現するか。いかに美しい雪景色を表現するか。絵の出来上がりが、このスキー場マップのほとんどすべてといっていいくらいです。あとは、ゲレンデのコースラインと地名などの文字を重ねて、マップを完成させます。
構成 三代川律子[フリーライター]
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