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パソコン製作でも基本は作図

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テクニック&ポイント
1981年に製作した手描きのルートマップと、1997年にコンピューターで製作したマップとをじっくり見比べると、コンピューター仕上げの方がより地形の雰囲気が出ていることに注目。これは、コンピューターの方が図面の制約を受けず、自由に作図ができるためである。皇居周辺の地下鉄はお堀に沿って通っていることや、お台場周辺の成長などが、ルートマップからも見えてくる。
使用した路線図はいずれも「ぴあMap」より

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結局、道具を使うのは人間の頭です
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版下製版の世界からコンピューターの世界へ、時代は移りつつある。ひと昔前、手描きでは難しかった精密な地図や複雑な図版も、コンピューターを使えば難無く仕上げることができるようになった。だが、コンピューターは、本当にマジックハンドなのだろうか。どんなにコンピューターが進化しようとも、表現の基本は作図にある、というのが森下さんの持論。つまり、コンピューターという道具を使いこなすのは、人間の頭と手なのだ。

たしかに、現在のコンピューターは技術者にとっては夢のような技法を現実のものとしました。20年前なら、一つのグラフを作ることだって、面倒な工程をふまなければなりませんでした。たとえば、図枠を作るのには文字のスペースを考慮し、数値は計算機を利用して高さを決めます。図枠寸法が数ミリ変更になっても、最初の計算からやり直さなければなりません。
いまなら、数値をコンピューターに入力しさえすれば、瞬時に希望のパターンでグラフを完成させることができます。それに、コンピューターなら際限なくイメージを展開させることもできます。手描きですと、訂正するのが大変ですし、技術的な制限もあります。しかし、コンピューターならやってくれます。

ただ、最近の図版の作り方を見ていると、ちょっと不安を感じることがあります。というのは、資料をいきなり下絵に取り込み、作図なしで図版の製作に取り掛かっている人が多いようなのです。これで、見ごたえのある図版ができるでしょうか。
紙と鉛筆による作図の作業は一見無駄のように見えます。でも、描いていると落ち着いた気分になれ、よいアイデアが自然に湧いてきます。いきなりコンピューターに向かうより、味わいのある作品が生まれると、私は信じています。
構成 三代川律子[フリーライター]
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手書きとコンピューター制作のルートマップの違いを紹介。
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